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◆ TEMUのユーザーはどこにいる?
TEMU は 2022 年の海外進出以降、わずか数年で“世界共通の格安ショッピングアプリ”として存在感を強めています。利用者が急増しているのは、単純な「安さ」だけではありません。国や地域ごとに TEMU が支持される理由は微妙に異なり、その違いを見ると、同アプリの勢いの背景がより立体的に理解できます。
◆ アメリカ:低価格需要の受け皿
TEMU が最初に火がついたのはアメリカ。
インフレが長引く中、日用品やインテリア雑貨、子ども用品など“とりあえず安く買いたいもの”を探す消費者が取り込まれました。
特に以下の層が多いとされます:
- コストを重視する一般家庭
- Amazonやウォルマートでは値段が上昇した商品を、より安く買いたい層
- TikTokで紹介されて知った若年層
アメリカでは“宝探しアプリ”のように、ゲーム感覚で買い物をするユーザーも多く、割引クーポンやミニゲームが拡散力を高めています。
◆ ヨーロッパ:節約志向×規制強化の板挟み
EU圏でも利用者が増加していますが、特徴的なのは**「人気上昇と規制強化が同時に進んでいる」**点です。
- 物価高で節約志向は強い
- ただしEUは製品安全基準が厳しく、模倣品や品質トラブルへの監視が強化
ユーザーは増えている一方、「安全性」「環境負荷」「フェアトレード」などの観点で議論が起きやすい市場でもあります。消費者の支持と行政の規制が綱引きをしている地域と言えるでしょう。
◆ 日本:短期間で急拡大した“安さ特化型”ユーザー層
日本では TEMU の上陸から短期間で利用者が広がりました。背景には次のような要因があります。
- 生活費高騰の中、消耗品をできるだけ安く買いたい
- 100円ショップよりさらに安い値付けがある
- アプリ慣れした若年層の拡散が速い
- 楽天・Amazonにはない“激安系のカテゴリ”が刺さった
日本のユーザーは、価格の安さを評価しつつも、
「品質の当たりはずれ」「発送の遅さ」などを織り込みながら“用途を限定して使う”傾向が見られます。
◆ 東南アジア・オセアニア:普段使いアプリとして定着
2024年後半から東南アジアやオーストラリア/ニュージーランドでの成長も顕著です。
- ローカルのショッピングアプリと同じ感覚で利用
- 配達スピードも比較的安定
- モバイル決済・SNS連携との相性がよい
アジア新興国は“コスパ感度が高い”ため、 TEMUのビジネスモデルがそのまま受け入れられやすい市場と言えます。
◆ 国ごとに違う「使われ方」
TEMU のユーザー層には共通点もありますが、各国の特徴をまとめると次のようになります。
| 地域 | 主なユーザー特徴 |
|---|---|
| アメリカ | インフレ対策として日用品をまとめ買い |
| EU | 節約志向の一方、品質と安全性への不安 |
| 日本 | 価格重視のライトユーザー。SNSで急拡散 |
| 東南アジア | ローカルECの延長線として普及 |
| オセアニア | 郊外ユーザーからの支持が強い |
まとめ
TEMUユーザーは“世界的な節約潮流”を象徴する存在
